2009年5月13日水曜日

これからのELSに望むこと ~ELS担当教員 佐藤浩章先生~

先週から5期生にエールを込めた「これからのELSに望むこと」をテーマに、先生方からのメッセージを掲載しております。今週は、佐藤先生からのメッセージです。


ELS担当教員の佐藤です。いよいよ5期生のメンバーも確定して、授業が始まります。この時期は、学生さん同様、スタッフも気持ちが引き締まる時期です。

ELSは過去2年、本当に素晴らしい学生さんたちに恵まれました。何より素晴らしいのは、自らを刷新しようという気持ちを持っていることです。能力開発には、①自己啓発、②OJT(On the Job Training)、③Off-JTの3つの基本類型がありますが、そのうち最も重要なものは、自分で自分を成長させよう、変えていこうという自己啓発の取組みです。

“You can take a horse to the water, but you cannot make him drink.” という有名な諺があります。どんなに素晴らしい先輩や上司や教員がいたとしても、どんなに素晴らしい教育プログラムや学習環境があったとしても、本人が自らを刷新しようという気持ちがなければ、そこに教育も学習も生じません。

では、この自らを刷新しようという気持ちはどこから湧いてくるのでしょうか?経営学や組織論でいう「モチベーション論」、心理学でいう「動機づけ研究」では様々な議論がこれまでなされてきました。一つ有効なのは、「大人モデル」となる人間を見つけることです。「あのような人になりたい」というモデルがあるかどうかは、自己啓発の動機づけに大きく影響を与えます。それは一人の人間でなくてもいいのです。またすでにこの世から去った人であってもいいのです。この世の中に生きている/生きていた複数の人間から少しずつモデルとなる要素をつなぎ合せて作り上げていけばよいのです。

この点で、ELSのスタッフは「大人モデル」としては大変魅力的ではありますが、数と多様性に限界があります。これからは卒業生をもっと活用して、現役学生に提供できるELSの「大人モデル」を増やしていく必要があるでしょう。
ELS担当教員
佐藤 浩章